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写心職人、大原正也の16回目の写心展。

『写心 of 天空のしろ』

そこにあるもの・・・
そこで見えるもの・・・
一期一会のそれとの出逢い。


「ついつい長居してしまう」「心地いい」「元気が出る」等々、色々な感想を頂いている写心展です。いつも以上に長居して、心地よくなって、元気になってお帰り下さい。

ポスター

場所:Gallery 葉 kobe
期間: 2014年10月24日(金)~25日(土) 11:00~18:30、26日(日)11:00~16:30

10月26日に無事終了しました。
ここ数年、あまり天気に恵まれなかったのですが、3日間毎日、とても気持ちのいい秋晴れの下、写心展が開催されました。
会場まで来て下さった皆様、本当に有り難うございました。
そして、気に掛けて下さっていた皆様、本当に有り難うございました。
このレポートをご覧になって、どういう写心展だったか見て頂ければと思います。

 

【個展会場写真集】

今回は、「天空のしろ」というテーマ。
しかし、「しろ」は「城」という表記にしていませんでした。
これをご覧になってどう思われたでしょう?
このページを見て、そういうことか!と思って頂ければ幸いです。
それでは、今回の様子をご覧下さい!

看板。

今回のDMやポスター写真は、かなり地味です。でも、その地味な写真から、色々と想像を膨らませてほしい!という願いがありました。

ディスプレイ。
2015年のカレンダーも飾ってみました。

入って左側に、2種類の自己紹介文。

入口すぐのところに、今回の写心展の説明文を。
これを読んでから見て頂きたかったので。

記帳台。お名前を頂戴しました。

正面から見た会場内。

奥から入口方面を見た会場内。

販売物色々。2015年の壁掛けカレンダー、卓上カレンダー、写心集等々。

今回は、「写心 of 天空のしろ」ということで、「城」ではなく、「しろ」にしました。
この題名を見て、ほとんどの方が、例の城を思い浮かべたようです。
それはそうでしょう。でも、そういう「ありきたりな」見せ方をしないのが、僕です!(笑)
見せ方にも一工夫、二工夫することによって、見て頂ける方にも楽しんで頂きたいと思っています。
「しろ」にしたのには理由があります。
僕の写心展では基本、NZ風景写真を見せております。
NZには当然、例のお城なんてありませんので、さて、どういう風に見せるか?と考えました。
天空の「城」にしてしまっては、あの城のことになってしまう。それではダメ。
どうしようか、と考えて、「城」をひらがなの「しろ」にし、「しろ」というなんらかのテーマでセクション分けし、それに関する写真を展示すると面白いのではないか?と思って「写心 of 天空のしろ」にしました。
かなり強引かもしれませんが、そうすることによって、見て頂く皆様に、ああそういう見せ方もあるのね、と思って頂ければと思いまして。
結構強引なこじつけもあるのですが、なるほど、と思って頂けたのではないかと思います。
全て例のお城写真かな?と思った人にとっては肩すかしだったかもしれませんが、NZのことをあまり知らない人にとっては、新鮮に観て頂けたのではないかと思います。
(ちなみに、1回分の写心展が出来るくらいの数の「天空の城」写真はありますよ。)
それでは、各セクションごとにご紹介。

まずは、入ってすぐのところ。
「天空の白い輝き」

天空の「白い輝き」、それは、「太陽」!
こういう写真は過去にも展示していますが、こうやって並べると違って見えるようで、特に左側の写真は評価が高かったです。

「天空の白い星々」

NZの星空はほんとうに美しいです。やはりこれを見て頂かないと。
何度もLake MathesonやLake Tekapoの星空写真は出していますが、写した日時は違っていたり、撮影場所が微妙に違っています。
やはりTekapoの星空はとても評判が良かったです。
また、これは、後で説明する例の写真を見せるための布石でもあったのです!

「天空の白い頂き」

この題名、意外と気に入っております!(笑)
NZには高い山がいくつかありますし、どれもが特徴的。それを、「白い頂き」として出してみました。
左は、NZで一番高い山Mt. Cook、真ん中は、会場から直接そそり立っている山としては世界で一番高い山Mitre Peak、右は、富士山に似ていると言われるMt. Taranaki。
画面左と中央の写真、ずーっとボツにしていたものです。なんか使い勝手が悪いな、と思って。
しかし、このコンセプトを思いついた時、とても合っている!と思って採用しました。
その狙いは当たっていたようで、これら写真はとても評判が良かったです。
ただ見せるだけではなく、どう見せるか、それは、コンセプトも含めて、そういうものも大事だ、と思わされました。
右側のMt. Taranakiの写真と黒い手作りフレーム、これらの色合いがとてもマッチしていていると思います。会場のオーナーもそう思ったようで、気に入ってくれました。

一番奥のセクション。

ほとんどの人は気づいていませんでしたが、どうしてこの区画にこういう写真を置いたか?
左は、姫路城の写真、右は、AucklandとChristchurchの写真。
会場の他の写真と比較して見て頂ければわかるかもしれませんが、このセクションの大きなコンセプトは、その場所の「シンボル」です。しかも、人工物。
それらを並べてまとめてみました。
一応、考えて配置しているのです!(笑)

そのシンボル写真の右側。
「天空の白雲の国」

NZは「長き白雲のたなびく地」です。
北島、南島それぞれの第一都市のシンボルと雲を絡めた写真を出しました。
左のAucklandの写真は、6月のホテル・シーショアでも展示していました。
評判が良かったので、6月に見て頂けなかった人のためにも展示しました。
あと、この2枚の写真は対比されています。
Aucklandの方は、Sky Towerが奥にあり、Christchurchの大聖堂は、手前に大きく写っています。
そういう対比も大事かと思います。

「天空の白鷺城」

僕の故郷である姫路のお城。
正直、天空というほどの高さはありませんが、アングル的には仰ぎ見る形で、空を入れて撮っているので、そう言ってもいいかな、と思ってそうしました。
もちろん、例の城との対比でもあります。
春の様子、秋の様子です。
右側は、6月のホテル・シーショアでも展示していました。

「天空の城」

「写心 of 天空のしろ」というタイトルだけを見た人は、もちろん、この竹田城の写真が見られると思ったことでしょう。
しかし、入ってみると、それがない!上記の写真群(NZの写真群)は一体どこの写真なんだ?!と思われたことでしょう。特に通りがかりで入られた方たちは。
最後の最後で、これが出てきて、ようやく、ああ、見られた、と思われたことでしょう。
これら写真は、昨年の11月、たった1回の訪れで撮影できたものです。
そういう説明をすると、1回でこれだけ撮れたの?すごい!とほとんどの方はおっしゃりました。
こういうものって運ですからね。
また、これら写真があったから、「写心 of 天空のしろ」というテーマでやってみようと思ったのです。
今年の2月頃からこのテーマを温めていました。

右側は、藤和峠から見た竹田城。
日が昇った後に撮影したのですが、このシルエット、雲、山並みがとてもいい雰囲気です。
気に入られた方は多かったです。
左側は、立雲峡から見た竹田城。
この写真では全くわかりませんが、鳥の群れが朝を知らせてくれています。

5枚組の中のセンターに位置する写真。

朝日がとてもいい感じで差し込み、雲を綺麗に赤く染めてくれています。
また、雲の隙間からちらりと見える、城址がとてもいいです。これも評判が良かったです。

右側は、全貌が見えた状態。
左側は、夜明け前の星空。

右側写真は、ある意味珍しいと思います。理由は、縦位置で撮影しているからです。
縦位置で撮影された竹田城址の写真てそんなにないと思います。
この場合は、「高さ」を強調したかったので、縦位置にしました。
下半分は雲しか写っていませんが、それでも、微妙な色の違いがとてもいいです。
この撮影の時、3時過ぎからスタンバイしていました。左側は、5時半頃の星空の様子です。
竹田城の写真といえば、城址からのもの、立雲峡から、藤和峠からの朝日が差した雲海の様子が一般的です。
こういう星空が映った竹田城写真はまずないと言っていいでしょう。
現場に到着した時、この日本でもこんなに星が見える場所があるんだ、と感動しました。
運良く、竹田城のある山がひょっこり現れ、星空と一緒に撮影出来ました。
これを是非、皆様に見て頂きたいと思い、出した次第です。
僕の予想通り、皆様もこの星空にうっとりでした。
また、TekapoやLake Mathesonの星空との対比でもあります。比べて頂ければ、日本でもこんなに綺麗に星って見えるんだ、と思って頂けたことでしょう。

 

【思ったこと色々】

今回の写心展は、いい意味で、色んな人の期待や思いを裏切ったと思います!
常連さんはさすがに、あの題名を見て竹田城だけの写真が展示されている、と思わなかったと思いますが、通りすがりの人のほとんどは、入ると竹田城の写真がなかったので、なんで?と思われたと思います。
でも、コンセプトを理解して頂き、最後に5枚だけですが、竹田城の美しい姿を見られて、満足して頂けたのではないかと思います。
今回のコンセプトは練りに練ったもの。また、各セクションのテーマも良かったらしく、見て頂けたほとんどの方たちに喜んで頂けたと思いますし、人によっては、今までの写心展の中で一番良かった、とも言って頂けました。
これは、僕自身もそう思っています。
展示数を少なくし、シンプルに見せ、僕の手作りフレーム、もいい演出だったようです。
これは是非、現場で見て頂きたかったですね。
あと、常連さんにはどの写真がよかったか聞きましたが、皆さんバラバラで、そのバラバラというのもよかったと思っています。
今回は、とても充実した写心展だったな、と個人的には思っています。
それでは、気付いたことを書き出してみます。

  • 展示した写真をじーっと見ていて気付いたことがあります。
    手作りフレームのA3サイズ以外は、前回のホテル・シーショアで使ったものを使いました。
    不思議なのですが、ホテル・シーショアで抱いた印象と、ここで飾って見た印象が違うのです。
    会場の違いでここまで見え方が変わるのか、と驚いた次第です。

  • そのフレームで、竹田城の縦位置の写真を見ていた時のこと。
    それを見ていて、何かに似ているなぁ、と思いました。
    思考を巡らせていると、そうだ、これって「掛け軸」だ!って。
    フレームのマットが白系、プリント用紙の質感、それらの効果もあってか、そういう風に思いました。
    これは、この会場に飾ったからそう気付けたのだと思います。
    また、姫路城のフレームは、「テレビ」を意識したものです。
    あえてマットは付けず、写真とフレームだけにしました。
    そうすることによって、テレビを観ているというイメージにしました。

  • プリント用紙にもこだわってみました。
    普段であれば、光沢紙を使うのですが、今回は違う用紙も使ってみました。
    何を使ったか?
    秘密です!(笑)

  • 初日と2日目、とても不思議なことが起きました。
    初日の最初のお客様は、別のギャラリーで僕のDMを見て興味を持っていらっしゃいました。
    どうして僕の写心展に興味を持ったのかお話を聞くと、その方の出身地が、その竹田城のある朝来市だったのです。また、更に突っ込んで聞いてみると、なんと、NZにも旅行で行かれたことがあったのです!
    NZの写真群が展示されているとは知らずにいらっしゃいました。
    最初のお客様が、竹田城にもNZにも関連のある人で、僕も驚きました。
    2日目の最初のお客様。
    その方は、たまたま通りかかった人で、友達と待ち合わせしていたようですが、遅れているようで、時間潰しも兼ねて入られました。
    お話を聞いてみると、なんとまぁ、この方も朝来市出身の方だったのです!
    2日連続で、しかも、各日最初のお客様が朝来市出身の方たちとは、これには本当に驚きました。
    他にも不思議な話があるのですが、ここで写心展をすると、本当に面白いことが色々と起こるなぁ、と思わされます。

  • 相変わらず、人が人を呼ぶジンクスがあります。
    誰かが入られると、待ち合わせの約束でもしたのですか?と言いたくなるように、次々と人が入っていらっしゃいます。これも不思議です。
    誰もいない時に、満遍なくいらして下されば、色々とお話ができるのですが、なかなかそうもうまくいかないようです。(苦笑)

  • 星空写真は本当に人気があります。
    早くTekapoの星空がユネスコに登録されればいいのですが。

  • お時間のある方には、NZから持ち帰った日本では珍しいフレーバーティーを出させて頂きました。
    2種類用意していました。
    1つは、Feijoa(フィジョア)という、NZやAUにしかない果物のもの。これは、Kiwi Fruitのような甘酸っぱい味のするものです。
    もう1つは、アプリコットとパッションフルーツ味のもの。
    最初にどちらがいいですか?と匂いを嗅いでもらって、どういう果物か説明すると、ほとんどの方がFeijoaを選ばれました。日本にない果物ですから、当然と言えば当然でしょう。
    そういうこともあって、2日目にはそれが終わってしまったのです。
    皆さん、どちらであっても、香りの良さに喜ばれていました。
    日本にはハーブティーがありますが、こういうフレーバーティーってないですよね。
    NZには結構な種類のフレーバーティーがあるので、お土産にもいいと思います。
    NZをご無沙汰している人にとっては、とても懐かしく思って頂けたようですし、少しでもNZ気分を味わって頂けたのであれば幸いです。

  • 竹田城は神戸と同じ兵庫県にあります。
    そういうこともあってか、注目度は高いですし、親しみを持って見て頂けます。
    お話を聞くと、今のように流行る前に行かれた方が何人もいらっしゃいました。お目が高い!

  • 可能なら、今回のように、NZと日本の風景写真を融合できるようなコンセプトの写心展をまたしてみたいですね。考えてみます。

常連さん、新たな出会い、再会、と色々な出会いがありました。
本当に有り難うございました。

次はさらなる進化をお見せ出来ればと思っております!
どうぞ楽しみに!



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